私はひまなのでよく悩みます。手相にも、くよくよする人特有の印がはっきりと見られるそうです。
こんな自分が嫌いでしたね。
今も「くよくよ君」にかわりないのですが、この性格が、実にたくさんの出会いをもたらしてくれた原動力だったんだなと、最近は少し落ち着いて、自分を認めてあげられるようになってきました。
そうした出会いの1冊、1冊を昔話を交えて、誰かの心にお届けしたいと思っています。
さて、「性格が悪い」「友だちがいない」「自分の意見が言えない」「人前で話すと手足声が震えて恥ずかしい」。中学から30代くらいまで、常にこんなことを気に病んでいましたね。
その後、「経済力がない」「父との葛藤」まで加わりました。それらはやがて1つにまとまり、「強力な自分嫌い」「徹底的な自己否定」に育ってゆきました。
そんな状態の私が40歳くらいの時出会ったのが、ジェームズ・アレンでした。
書店を徘徊していたとき、本の帯に書かれた文字が目に飛び込んできたのです。
そこにはこうありました。
「聖書に次いで一世紀以上ものあいだ多くの人々に読まれ続けている」
聖書の次に読まれている本だというのに、作者も書名も知らない。どんな本だろう?そう思って手に取ると、行間がたっぷりで、詩のようなスタイルになっています。なんだかすぐ読めそうな気がしたものです。
それが、アレンとの出会いになった『原因と結果の法則』です。『原因と結果の法則』は、全4冊になっていて、②~④までそれぞれ副題がついています。
今回ご紹介するのは、これら4冊から選出されたベストアルバムのような本です。
タイトルは、『きっと!すべてがうまくいく』。
この本はたくさんの人に読んでほしいのですが、ある意味で「劇薬」です。だから、注意が必要です。
それは、
「読めば逃げ道がなくなりますよ」
ということです。
まだ、「人のせいや環境のせい」を使いたい人は、読むとひたすら苦しくなるかもしれません。
そう感じる瞬間は、本をめくった最初のページの1行目にいきなりでてきます。
「人は、自分で選び、巡らす考えによって、自分自身を作り上げています。人は自ら考え、その通りのものになるのです」(p1)
自分の世界はすべて自分がつくりだしている。すべて自己責任!
これがアレンが私に届けてくれた最大の贈り物でした。
そうはいっても、今でも、「人のせいにしたくなる」「環境のせいにしたい」「逃げ道が欲しい」、心はゆらぎます。
ただ、その時々に、アレンの「原因と結果の法則」という言葉が胸によぎり、励ましてくれます。確かに苦しいんですけどね。
アレンと出会って15年あまり。その経験から言えることは、とりあえず、「すべて自分の問題として考えた方が、かえって出口は近くなる」、そんな実感があります。
アレンの思想は、キリスト教文化圏にありながら、「縁起」「因果律」といった仏教的な要素を融合したような印象が私にはあります。
文体は分かりやすく、読みやすい。ただ、深さはたぶん無限大。わかった風に話していますが、わたしの理解は1%にも及んでいないと思います。
だから、一生ずっと付き合える本です。
きっと、アレンも一生涯の友をまだまだ募集中だと想像しています。
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